「室内の適切な湿度って何%?」
という質問があったらおそらく多くの人は「40%~50%」を想像するのではないでしょうか。
だいたいそれで合ってるんですが「%」で示される湿度は室温によって変わるのでこれを簡単に説明したいと思います
(以下余談も含めご一読の程、よかったらよろしく。)
空気中には目に見えない水蒸気の状態でいくらかの水分が含まれていて、
湿度(%)というのは空気中に含まれる水分の割合のことをいいます。
そして物理の世界では、
温かい空気が含むことができる水蒸気は多く、
冷たい空気が含むことができる水蒸気は少ない。
これが前提条件です。
■例です
冬のあるお部屋の室温が今20度だとして、
20度の空気が含むことのできる水蒸気の量を仮に10とます。
その内水蒸気が5あるとしましょう。
この状態だと5/10なので湿度50%と云えます。
外がとても寒い日だったので窓に近づいていくと、
窓付近は15度でした。
冷たい空気が含むことのできる水蒸気の量は少なくなるので、
15度の空気が最大含むことのできる水蒸気を7とします。
この部屋には水蒸気が5ありましたので、
この状態だと5/7なので湿度71%になります。
さらに窓表面の温度が10度だったとしましょう。
10度の空気が最大含むことのできる水蒸気を4とします。
この部屋には水蒸気が5ありましたので、
この状態だと5/4なので湿度100%(4/4)と、はみだした分(1/4)が余ります。
このはみだした分がいわゆる結露となって窓表面に雫として出現します
そして結露し始める4/4の点を露点と云います

このように、「%」で表現される湿度というのは温度に対しての水蒸気の量を表すので、
正式には「相対湿度」といいます。
上記の説明で5という数字で表現した水蒸気の量は、
温度が変化しても物質としては変わらずに存在する水蒸気量なので、
これを「絶対湿度」といい「g/m3」という単位で表現します。
記号を読んで字の如く、1立方メートルの四角い空気の中に、何グラムの水蒸気が含まれているかという実質的な量ですね。
実際冬に相対湿度を50%にするのは至難の業です(乾燥しているから=絶対湿度が少ないから)。
目安でいうと室温は年間を通して20度台を保つこと(夏28度~冬23度程度)。
その温度で絶対湿度10g/m3程度をキープできたら相対湿度は40%~50%程度になり理想的と云えそうですね。

■余談…。
以上のお話から「湿度50%」といっても夏と冬では全く違うということが分かったかと思います。会話から「湿度10グラムくらい」なんていうワードが出たら「パーセントでしょ?」と突っ込まれそうですが実はその方は湿度のことを充分周知しているのかも、、。
そもそも夏は南風、夏の日差しが照り付け蒸発した海水の蒸気が太平洋から直接日本列島に到達するので絶対湿度は20g/m3前後が多く、
冬は西高東低の気圧配置から凍った大陸の空気の影響を受け絶対湿度は2g/m3とかそんな程度になります。
(ちなみに夏の湿度20g/m3の空気を室温で28℃に下げると相対湿度は約80%、
冬の湿度2g/m3の空気を室温で20℃に上げると相対湿度は約10%と絶望的です笑
※以下の画像参照)
このように高温多湿、低温少湿を半年ごとに繰り返すので日本列島の温熱環境は変化に富んだ過酷な状況と云え、湿度のコントロールが非常に難しい。故に断熱、気密、換気、空調がセットになるわけですが。。
快適な室内空間を守るための工夫をどこかで考察したいと思います。
